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誰も守ってくれない。 [Drug & Gun]

殺人事件が起こると、
ワイドショーが決まって採り上げるのが隣人のコメントだ。

みな一様に、容疑者の普段の顔を知りたがっている。
質問に答える側は、まるで口裏を合わせたかのように、似た内容の言葉を発する。

「普段はいい人でした」

誰であれ、公の場では見せない顔を、ひとつや二つ、隠しもっているだろう。

学校では人当たりがいいのに、母親にはキツくあたる少年。
生徒には信頼されているのに、我が子を虐待してしまう教師
自分のストレスをストレスと診断できない医師
意外とそんなケースはたくさんあるはずだ。
見た目が「やー■ん」のような風体では、密輸入すらうまくゆくまい。

どんなに嘘が上手な人でも、たとえ表と裏の顔を持っていたとしても、
その人の人間性は目に見えるどこかに表れる。
覆った部分を含めての人間なのだ。

今回、一連のMDMAの事件について取材したいと、
報道番組とワイドショーから連絡があった。
もちろん、丁重にお断りしたのだけども。

報道などで○○さんから○○容疑者へと、呼び方が移行する瞬間が好きじゃないのだ。
犯罪者を擁護するつもりはないが、罪を犯す前も後も同じ人間なのだ。
人はいきなり堕落したり、成長したりしない。
いや、できないのだ。

そして、僕は、今後も、覚醒剤や麻薬依存性から、
立ち直ろうとする人を応援する立場をとる。

ひとつだけ声を張り上げていっておきたいのは、
マリファナと違い、覚醒剤を断つのは非常に難しいということだ。
自分ひとりでは更生できないし、自分ひとりの問題ではなくなる。
人生を取り戻すのが、非常に困難になってしまう。

普通に暮らしていれば、本当に危ない出来事とすれ違うのは、
一生に一度か二度ではないだろうか。
大抵は、気づかずにすれ違うだけだ。

しかし、どんなに意志が強かろうが、
誰だってそこに巻き込まれる可能性があるということを理解してほしい。

巻き込まれる環境で、普通に暮らしていることを認識すべきだ。

誰だって、
あなただって、
あなたの家族や、
逆の立場で取締まっていた僕でさえ、
ひとつ歯車が狂えば、
一瞬で過ちを犯してしまう。

自衛するしか抵抗する手段はない。

自動車教習所で停車中はサイドブレーキだけでなく、
テールランプを点すように教えられるのは、追突されない自己防衛のためだ。

暗い道を歩かないことと同じレベルで、あらゆる選択の危険性を日常から計るべきだ。

自分の未来は、自分で守るしかない。
他人は、いや家族ですら、
守ってあげることができないのだから。

そういった世界の影の部分が自分のすぐ横に潜んでいることを、
想像すらできない人はたくさんいる。
大部分の人の光と影は、一生交錯することはない。

影を消し去る唯一の方法が、あることはあるのだが、
これもまた、自分でたどり着かなければ意味はない。

もう一度、繰り返そう。

どうか興味本位で深入りしないでほしい。
そして、自分には無縁のことだと高をくくるのも避けてほしい。
それが、油断の第一歩だから。
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捜査の鉄則。 [Drug & Gun]

怒濤の連続更新!!
こちらも大学生のふじわらさんより。

> Gメンの縄張り争いみたいなのはあるんですか?
>『カァ〜ッ、こりゃあ一本取られたなぁ。いやはや。』と思った
>事件はありますか?ぜひぜひぜひ、答えて下さい。  

小さな世界なので警察のように管轄争いということはないです。
けど、警察や海上保安庁に対してはあるようです。
(ちょっと言葉を濁してみました…。ダメ?濁ってませんかね)

先に情報を提供した方が、一番重要なところを捜索するのです。

当時、何度かコカインなどを発見して、表彰されたことがあります。
実は、これ、「報告書」を作成した者が表彰されることになっています。

どういうことか説明すると、何十人も協力して捜査していても、
かなり大事件で報告書に名前を連ねない限り、
第一発見者しか表彰されない、ということなのです。

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100%検問 [Drug & Gun]

現役麻薬Gメンの後輩からうれしいメールが届きました。
メールには「初めて大麻草を発見しました!!」と書かれてました。

彼は仕事をはじめて4、5年経つのですが、社会悪物件を検挙したのは
初めてだそうです。

たいした量ではなく、数十グラムだったんですが、それでもうれしくて
連絡をしてくれたのです。

僕の初検挙もタバコに混ぜられた大麻草でした。
当時、僕が担当していた管轄は、ずいぶんと長い期間、大きな事件もなく、
覚せい剤も拳銃も無縁の場所だと思っていたんです。
その管轄を取り締まる捜査官の大部分は、そんな安心した空気のなかで
過ごしてました。

取り締まる対象すら少ない5月の祝日。
官用車のなかで張り込みをしていた僕たちは、ポカポカとした陽気のために
睡魔に襲われ、眠いのをごまかすために、通常の任意の捜査ではあり得ない
100%検問を行ったのです。
どういうことかと説明すると、僕たちの前を通過する、特に不審とも思えなかった
パナマ船籍の乗組員に対し、片っ端から職務質問を実施したのです。

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末端価格 [Drug & Gun]

さて、質問です。

>ところで、「麻薬関係」で以前からかなり気になってた ことを思い出しました。
> その1:よく「麻薬を体内に隠して入国しようとしていた」 人が捕まってますが、
>一体どうやって隠してるんですか? 何かに入れて飲み込んでるんでしょうか?
>差し支えなければ教えて下さい。

これは航空便を利用して密輸入するケースですね。

体内に隠匿する場合は、コンドームに何重にもくるみ、
飲み込んで、胃に隠して入国するんです。

でも、かなり危険を伴います。
体内でコンドームが破ければ即死ですし、胃に異物をいれたまま
長時間絶えられる人間はそういません。

たいていは飛行機のトイレで飲み込み、イミグレーションと税関を
通過した後、空港内のトイレで吐き出すのです。

当然、胃の中ですので、身辺検査をしたところで発見できません。
発見可能なのは、X線でレントゲンを撮るしかないのです。

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引き続き、Gメン時代の話 [Drug & Gun]

しかし、世界にはいろんな職業があるもんですな。
僕は自分がやっていたので、Gメンなんて不思議だと思わないのですが、
接点がない方の目には奇妙に映るのでしょうか。
たった一度の人生ですから、できることならいろんな経験をしたいですね。

「人間の最大の不幸はひとりの人間にひとつの人生しか与えられないことだ」

と言った作家がいましたが、確かにそう思う瞬間はあります。
でも、何度人生を繰り返そうと、同じように歩んでしまうのでしょう。
たぶん僕はそうですね。
もう戻らないからこそおもしろい。年を重ねることを誇りに思いたいです。

で、今回のご質問は、養護教諭に復活しようとしている方からです。

>質問です。
>私は職業柄、具合の悪い生徒のがどの程度の症状か、
>結構見かけで半分くらい分かるんですが、
>仲村さんは、見かけで「んんん?この人は危険...???」と勘が働く時って
>ありますか?
>前職、現職ともでお答え下さい。

これがですね、なぜだかわかることが多いんです。
外見が見るからに危険な人は別として、どの程度怪しいのかとか、
今なにかをしようとしているとか、感じますよ。
昔ほど敏感ではありませんが、いまだに電車に乗っていたらスリに気が付きますし、
嘘もたぶん普通の人より見破れます。
普通の状態ではない行動、目の動き、所作、というものに無意識に反応してしまうのです。

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北条さんからの質問 [Drug & Gun]

昔、いただいた質問です。

> 1.麻薬の内偵って何やるんですか?

いろいろやりますが、情報が入って、じっくり検討して、捜査・張り込みです。
検討する時間がない場合は、勢いで行動することもありますが(いいのかそんなんで!!)、
運び屋などが対象のときはわざと見逃して黒幕まで辿り着いてから捕まえる、なんてこともあります。

> 2.マッキーのタレコミって誰がやったんですか?

知りません。僕じゃありません。
こういうのは、本人が直接買うことは少ないでしょうから、仲介人や売人、または関係者が捕まったら最後、
知っている名前を暴露されるのです。噂程度のものでも、有名人なら必ずマークされます。
捜査されるということではなくて、データの対象になる、ということです。

> 3.麻薬1gっておいくら?

麻薬によって違いますが、街角で安いものだと末端価格2万円前後でしょう。
マリファナは更に安いです。

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実生活では役に立たない麻薬講座 [Drug & Gun]

数年前の原稿です。
目を通したら、おもしろかったのでアップします。
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かつて僕は、麻薬の取締りという風変わりな仕事をしていた。
あまり人前で自分から率先して言うことはないのだけど(だってめんどくさいし)、
その事実を知ってる人には酒の席でよく吹聴される。

そりゃ周囲にそんなことやってたヤツはそうそういないだろうから、格好の酒の肴なのだ。
いったんバレると、裏の世界を垣間見たいという人間の好奇心はすさまじく、ポンポン質問が飛ぶ。

本当によくされる質問が「ドラマで白い粉を発見すると舐めてるけど、
中毒にならないの?どんな味がするの?」というもの。

舐めないんですよ、危険だから。まあちょっと考えてもらえればわかると思うんですが、
純度が高かったりするとショック死だってありえます。
確かに、舐めると覚せい剤なんかは、舌にピリッとするとは聞きましたが、
実際に現場でそんなことする捜査官はいません。
試薬というリトマス試験紙のような薬があるのです。
それに漬けて、溶液が青になったり、赤紫になったりする変化を見て麻薬かどうかを判定するのです。
味ったって、ほとんどのモノは無味無臭ですよ。マリファナは独特の甘い香りがしますけど。
強烈なので、この匂いだけは、今でも嗅ぐとすぐにわかります。

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秘密の質問 [Drug & Gun]

2004/12/15

久しぶりに麻薬に関するご質問をいただきました。

元々、このページは、元麻薬取締捜査官という異色の過去を持つ、
僕の秘密を綴ってみようと始まったものでした。
でも、最近はそんなことすら忘れていました。

今回のは、以前によくいただいた質問と似ています。
麻薬Gメンになるには、「薬学部や法学部でないとダメなのか」というご質問でした。

法律はたくさん覚えなくてはならないので、その方が有利だと思います。
でも、国家公務員資格さえ取得すれば、応募することが可能です。
(中には薬学部でなければ受けられないところもありますが)

僕は大蔵省の管轄でしたが、厚生局の麻薬取締部が麻薬取締の王道でしょう。
他にも警視庁にゆくことも選択肢としてありますが、
麻薬関係に興味があるのでしたら、厚生局を推薦します。
僕がやってた取締部は、そんなに危険なことはありませんでした。
覚醒剤(僕たちはシャブと呼びました)もコカイン(コークと呼びました)も、
拳銃(チャカと呼びました)も何度も摘発しましたが、
命に関わるようなシチュエーションになったのは2回くらいです。

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